樹脂加工レスキュー工場では、樹脂・プラスチックのための最適な作業環境や検査体制、トレーサビリティシステム、品質管理教育など、製品の品質を保証するためにあらゆる投資を惜しみません。


樹脂・プラスチックは、別表(各種素材の線膨張係数一覧表)のように線膨張係数が大変高い材料です。単純計算で金属に比べると約10倍、セラミックに比べると50~100倍となります。以前の工場は、夏は40℃・冬は0℃と全く温度管理ができない状態でした。その為、自社内で計測してもお客様の環境では寸法が出ていないということがよく発生しました。
2000年代より温度管理の為の設備投資を進めていましたが、建物が古い為エアコンをかけても熱が逃げてしまい、電気代が大変高額になっていました。何よりも石油由来の合成樹脂を扱うものとして、環境負荷をこれ以上増やすのは良心も痛むものでした。
樹脂加工レスキュー工場は、2017年の本社工場建設の際、工場全体を恒温管理出来る様にしました。工場の壁全面に断熱材を使用、荷下ろし場のシャッターを2重にしており、外気の影響を受けず、また空調した温度を逃がさない構造となっています。更に事務所棟は地熱と井戸水を利用した冷却システムを設備、環境負荷が少なく快適な職場環境を整えています。
各種素材の線膨張係数一覧表
| 材料 | 線膨張係数(10-6乗/K) | |
|---|---|---|
| 炭素鋼 | SS400 | 11.8 |
| S50C | 11.7 | |
| SK3 | 10.6 | |
| ステンレス鋼 | SUS304 | 17.3 |
| SUS430 | 10.4 | |
| 銅合金 | C1020 | 17.6 |
| C2801 | 20.8 | |
| アルミ合金 | A2017 | 23.4 |
| A5052 | 23.7 | |
| A7075 | 23.6 | |
| セラミック | セラミック | 4.5~10.3 |
| 熱可塑性プラスチック | PMMA | 70 |
| PVC | 50~180 | |
| PP | 110 | |
| HDPE | 110~130 | |
| ABS | 90 | |
| UHMW-PE | 200 | |
| PC | 60~70 | |
| 変性PPE | 66 | |
| 材料 | 線膨張係数(10-6乗/K) | |
|---|---|---|
| 熱可塑性プラスチック | MCナイロン | 90 |
| PA6 | 80 | |
| PA66 | 80 | |
| POM | 90 | |
| PBT | 100 | |
| PET(結晶性) | 60 | |
| PC/ABS | 60~80 | |
| PSU | 56 | |
| PES | 55 | |
| PEI | 55 | |
| PVDF | 130 | |
| PTFE | 100 | |
| PFA | 120 | |
| PPS | 24~29 | |
| PEEK | 50 | |
| PIv | 54 | |
| 熱硬化性プラスチック | PF | 20 |
| EP | 60~65 | |
| UP | 18~32 | |
運用にあたっても、工場、検査室内に各6箇所温度計を設置しており、常に環境温度がわかる状態になっております。また、加工に使用する切削水も25℃になる様に、サーモセンサーを取り付けて管理、製品加工・検査時には、直接製品温度を測定し25℃±2℃であることを確認しております。
その結果、温度管理は以前より精密となり(25±2℃)なおかつ電気代は以前の1/3の省エネ環境とすることができました。この環境の下で、航空宇宙産業・半導体製造装置産業のお客様の厳しい要求精度(公差レンジで±0.05mm、厳しいときには0.02mm)を実現しています。
エアコンはこまめに設定
熱を逃がさない2重シャッター
加工時に材料の温度測定
※PTFEは23℃付近に転移点があり、そこを境に体積が1%~2%変化すると言われております。当社では特にPTFEを扱うことが多いため、その特性に合わせて25℃±2度の環境下で精度保証を実施しています。

樹脂加工レスキュー工場では、工程の信頼性を向上させることを品質ポリシーの第1義としていますが、それだけでは製品を保証することはできません。製品が規格を満たしているかを評価するために、検査体制の充実も図っています。検査体制の充実とは、「設備」「環境」そして「人」を豊かにする事に他なりません。より精密に測定する、観察するための「設備」の導入、製品を安定して計測するための「環境」の維持、それらを使いこなす「人」の教育、これら3つへの投資を継続することで、お客様に安心して使用いただける品質を保証してまいります。そして、それらの検査データを元に工程の改善にもつなげていきます。

検査設備機器
通常の寸法測定だけでなく、ネジ、幾何公差、表面粗さ、CADモデル照合など、様々な測定に対応できるよう、多様な設備を保有しています。もちろんこれらの設備機器は、国家標準にトレーサブルな定期点検を実施し、精度を維持していますので、安心して検査をお任せいただけます。
門型3次元測定機
レーザースキャナー付きアーム式3次元測定機
面粗さ測定器
検査室
工場とは別の部屋を設置。24時間空調稼働、更にロガーによる室温測定により、安定した室温を維持しています。また、1500luxの照度を確保し、製品表面の異常を検出しやすい環境を整えています。
検査員認定制度
樹脂加工レスキュー工場では、検査員認定制度を設けています。必要な研修を受け試験に合格した検査員のみが検査を実施することで、信頼性の向上に努めています。
検査員認定リスト
機械検査3級検定証
検査員研修中

トレーサビリティとは、製品の生産や流通などの過程を追跡できることです。その為に、樹脂加工レスキュー工場では、使用材料、作業の日時、作業担当者、使用設備、検査の日時、検査担当者、検査項目、使用測定器などを記録しています。
製造に使用する材料は、全てに管理番号を付与します。製造時にはその番号を記録することで、どの材料をどの案件に使用したかを瞬時にトレースすることができる仕組みを構築しています。また、検査に用いる全ての測定機器は、国家計量標準に準拠した定期校正及び日常点検を実施し、精度を維持しています。
製造及び検査の日時、担当者、使用設備や機器などは、全てシステムで管理。これらの検査記録は16年にわたり保管しておりますので、万が一不適合が発生した場合でも、記録を確認することで不適合の範囲を特定し、原因究明を容易にすることができます。納入した後も生産者としての責任を果し続けます。

材料は端材まで全て履歴管理
作業データはシステムに記録
ゲージ類も定期校正

品質を作り出すのは、建物でも設備でも仕組みでもありません。それらを使いこなす人によって品質は生み出されます。樹脂加工レスキュー工場では「人を中心とした経営」を標榜しています。品質においても、人への投資は最大限に実施しています。
- 導入研修
- 品質会議
- QC検定3級以上取得推進(2級1名、3級9名 2023年8月現在)
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