バレルメッキ、バレル研磨等 問題解決事案
お客様の業種 | メッキ業(金属表面処理) |
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お客様の職種 | 自動車関連、半導体関連等 |
使用用途 | バレルメッキ、バレル研磨 |
使用素材 | 塩化ビニール等(その他、耐熱性・耐薬品性のご相談に応じます) |
トラブル内容
今回のバレルサイズ (バレル本体・蓋 大きさφ400×700L程度)
①薄肉品、小物品がバレル本体と蓋に挟まりメッキ不良になる。
その為、製品への不完全メッキ品等の異物混入があり、混入による不良の発生や、またその選別にもかなりの時間がかかっている。(上部画像-A)
②バレルの回転中に蓋が開く可能性があり、蓋締めをしっかりとする必要がある。
③蓋の開閉が固いため、毎回の蓋の開閉に手間と時間がかかる。トンカチで叩いたりするため、本体や蓋を破損しやすい。(上部画像-B)
解決策
もともと客先より原案を頂き、その案を元に、より加工しやすく、安価で可能な形状を弊社にてCADで設計し、概略の画像を印刷した資料でご提案。
お客様と実際のワークとCAD画像を印刷した資料を見ながら打ち合わせ。
結果、バレル本体は部品の新規作成と追加工を行い、蓋は新規作成にて1、2の両方を対応。
バレル本体
元々あった隙間を、端面を小さなRの連続にして、小さなものが入らない様に切削で別部材を製作。【下記画像内、部品1】
また、蓋のはまる溝がついた部材も製作。【下記画像内、部品2】
その2種類の部品が取り付くように、本体の元々蓋がはまっていた箇所を切り取り。
切り取った部分に、上記の2種類の別部材を樹脂溶接にて接合した。
【上部画像内の黄色部分】
蓋
バレル本体に設置したRの連続の部材に合うように、蓋の端面を設計。【下記画像-蓋(裏側)】
また、蓋の開閉を密閉が出来て、且つ、手で開閉できるような構造に変更。【下記画像-蓋(表側)】
苦労した点
元々の本体がひずんでいた為、本体と蓋のはめあいで苦労した。
まず、ひずんでいるバレル本体の切断を工夫し、基準面を出した。
その後、本体へ部材を樹脂溶接する際に再び熱によりひずむため、溶接の治具を工夫し、
ひずみを抑えた。
結果
1、小さいものや薄い物は挟まらなくなり、混入による不良発生は無くなった。
2、蓋の特殊構造により、ロックする機能を設けた為、メッキ中などに蓋は絶対に外れないようになった。
3、手で、しかもワンタッチで開閉できるようになった為、開閉の作業スピードが上がり、元々、1分程度の作業時間が、1/3以下の時間にまで、削減できた。
また、バレル本体や蓋を傷つけ、部品を痛めたり、破損させる事も無くなった。
↓ レスキュー後動画
以上
めっき、メッキ、鍍金